【海竜(かいりゅう)】東京都港湾局 しゅんせつ船【第75回東京みなと祭り】

-記事の投稿日2024年06月04日-

◆【海竜(かいりゅう)】東京都港湾局 しゅんせつ船【第75回東京みなと祭り
画像の日時:2024年05月19日10:54分頃~
場所:東京都江東区青海2丁目 地先 東京国際クルーズターミナル桟橋
状態:珍しい船の一般公開として浚渫船の海竜が一般公開のため停泊していた。その見学の様子。
説明:船舶航行の安全のために必要不可欠な浚渫。墨田川や荒川から流れ込む大量の土砂を取り除き深さを確保している。
浚渫(しゅんせつ)とは:浚渫とは港湾、河川、運河などの底面をさらって土砂を取り去ること。浚渫の目的は、走行する船が海底と接触するリスクを無くすこと。
浚渫と似ている言葉:浚渫と意味の似ている言葉に掘削(くっさく)がありますが、掘削は土砂や岩石を掘り取ること。浚渫は堆積した土砂などを取り除くこと。掘削は底面や側面などを掘ったり削ったりして断面を拡幅すること。が両者の違いになります。
出典:株式会社セリタ建設さんのサイト
  秋田港湾事務所さんのサイト
荒川:乗船していた職員さんから聞いたお話によれば、荒川河口は特に流れが早いとのこと。大潮の干潮時などは海竜でも流されることもあるとか。つまり超のつく激流ということだ。
ノズルの詰まり:何か大きな物を吸い込んでしまった際は、取り除けるものは、なんと手作業にて行うとのこと。頻繁に詰まるということはないそうだ。どんな物体が詰まるのか、サメとか古代の遺跡のカケラとか、東京湾に沈めるゾのアレとか、もっともっと質問をしたかったが、質問責めをしていたのは私くらいでやめておいたのは内緒だ笑
操船作業:一見、難しそうな操船作業だが、入社して数ヶ月すれば直線くらいは運転できるそうだ。それくらいマニュアルや指導、操船補助システムなどが優れているという証だ。
測量船たんかい:海の深さを測る、測量をする船。海竜とは名コンビの良き相棒だ。東京港内の航路などの測量を定期的に行う。土砂の堆積、海底地形の変化なども調査する。長さ14.5m幅6.2m。時速約22㎞。マルチビーム測深器。観測結果を浚渫作業や船の航行の安全に役立てている。
新海面処分場:東京港内最後の廃棄物処分場。浚渫された土砂の運搬場所。緩傾斜護岸上に潮だまり(タイドプール)を設けたりなど生物相にも配慮されている。新海面処分場の容量増大策も興味深い。より住みやすいように人工的に、かつダイナミックに環境を変えていくのは徳川家康公の江戸時代から続く関東の大規模公共工事のように思えてしまう。もはや伝統の域だ。


海竜のまめ知識

①開発費用:50億6100万円をかけて完成された。機動性、効率性、経済性、安全性に優れた船。
②種類:汽船。船質:鋼。全長69m。幅14m。深さ5.6m。総トン数1410t。時速約24㎞。1410トン。推進用ディーゼル機関800kw×2基。螺旋推進器2基。泥倉容量747㎥。
③年間約40万㎥の浚渫を行う。一回における土砂の量は約380㎥。それを一日3回~4回行っている。
④場所により固い土砂もあれば柔らかい土砂もある。
⑤その固い柔らかいを見極め、いかに効率よく掘り下げるかを一番注意を払っているポイント。
⑥タンクに入れた土砂は土砂受入れ専用船「第2てんゆう」に引き渡す。
⑦「第2てんゆう」への引き渡し方法は、海竜の船底の扉を開き→海底に土砂を放出する→「第2てんゆう」のポンプを使用し、埋め立て中の新海面処分場へ送る。


【海竜(かいりゅう)】東京都港湾局 しゅんせつ船【第75回東京みなと祭り】
Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.

【海竜(かいりゅう)】東京都港湾局 しゅんせつ船【第75回東京みなと祭り】
Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
ドラグアーム全景。このアームを使って海底より土砂を吸い上げる。土質が固い場合はジェット水を噴出する。
手前の塊が「スライディングトラニオン」。
中間地点の塊が「中間ジョイント」。
一番奥が「ドラグヘッド」。

【海竜(かいりゅう)】東京都港湾局 しゅんせつ船【第75回東京みなと祭り】
Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
スライディングトラニオン。ドラグアームの基部にあたる部分(トラニオン吊り上げ台車でアームを右舷側にスライドさせた後のパイプの付け根にあたる。)。

【海竜(かいりゅう)】東京都港湾局 しゅんせつ船【第75回東京みなと祭り】
Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
スライディングトラニオン。

【海竜(かいりゅう)】東京都港湾局 しゅんせつ船【第75回東京みなと祭り】
Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
中間ジョイント。ドラグアームの中間部にあたり、浚渫時にドラグアームが受ける上下左右の力を分散・吸収する役割を果たす。

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Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
中間ジョイント吊上げジブ。中間ジョイントの揚げ降ろしをするものでフレームとウインチで構成されている。その基部の一部。

【海竜(かいりゅう)】東京都港湾局 しゅんせつ船【第75回東京みなと祭り】
Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
海竜の乗船見学の案内板。胸が高鳴る。

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Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
要所要所にスタッフさんがいてくれて、案内してくれます。安心。

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Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
船に乗り込むと歩く幅は必要最低限という感じで、列は意外と早く進む。甲板など外ではゆっくりと見学してシャッターを切る機会は少なかった。

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Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
船窓に内側から金属の蓋がされていた。この内部が船倉なのか。気になる。

【海竜(かいりゅう)】東京都港湾局 しゅんせつ船【第75回東京みなと祭り】
Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
排水管空気抜きを上から撮影。

【海竜(かいりゅう)】東京都港湾局 しゅんせつ船【第75回東京みなと祭り】
Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
「排水管空気抜

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Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
船のランプは味があって好きだ。保護するパーツが装飾に見えてくる。きっとファンクションイズビューティなのであろうが、ゴツゴツしていて格好良い。

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Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
船の揺れなどで間違ってぶつけることが多いのか。ガードがしっかりとされていた。

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Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
マストへと昇る階段。幅はとても狭い。

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Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
いよいよ船内へ。各種電子機器がずらりと並ぶ。壮観だ。見学者の気持ちも最高潮に達している様子だ。

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Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
手洗い場の窓から見える護衛艦おおよど

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Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
TOUGHENED GLASS.

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Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
艦橋=ブリッジから眺める前部甲板。作業船らしくメカメカしい。素敵だ。

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Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
窓についているのはアンテナか。それとも曇り止めか。気になる。

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Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
ハイアングルからの船内。見学者の熱気が伝わってくるようだ。

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Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
なにやらアナログの計器類が並ぶ。文字盤は白。白に何か意味があるのか。気になる。

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Kairyu a dredger.It’s the 83rd anniversary of the opening of the Port of Tokyo.
ドラグアームなど各部位の説明。聞きなれない言葉ばかりだが、とてもわかりやすい。以下の動画を視聴する理解しやすかった。

東京都 Tokyo Metropolitan Govermment
東京都を掘ってみよう!測ってみよう!

Blue John.blog