【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】と鬼怒川改修事務所「青山 士(あおやまあきら)」氏

【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】

-記事の投稿日2024年4月24日-
※今回はリンクだらけになっています※

◆【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】と鬼怒川改修事務所「青山 士(あおやまあきら)」氏の仕事
・画像の日時:2024年4月21日08:50分頃~
・場所:茨城県下妻市本洲付近
・状態:河岸と上空から鎌庭第二床固を観察☆
・説明:床固(とこがため)とは、川底が削られるのを防ぐ機能を持たせること☆その昔、この鎌庭の床固付近を入口として鬼怒川は大きく蛇行していた。出口側は少し下流の鎌庭捷水路付近だ。蛇行して流れが悪くなっているので、大雨が降ると護岸が削られ、頻繁に洪水が起きていたそうだ。
その改修工事の歴史を感じる場所として今回は撮影対象にしてみた。筑波サーキットからそう遠くない場所に立地している。
・鬼怒川改修工事:鬼怒川流域で頻繁に起きる洪水対策として1927年(昭和2年)に「鬼怒川改修事務所」が設置される。その最初の仕事になったのが鎌庭捷水路(かまにわしょうすいろ)の開削工事だった。茨城県下妻市鎌庭付近で大きく蛇行する鬼怒川をまっすぐにして流れを良くする工事を行ったのだ。


・鬼怒川改修事務所の初代主任技師「青山 士(あおやまあきら)」氏:日本の土木事業に大きな足跡を残した人物☆荒川放水路建設指揮が有名。静岡県磐田市出身。青山 士(あおやまあきら)さんの詳しい歴史などがリスク対策.comさんのサイトに掲載されていました。
・鬼怒川氾濫:記憶に新しい2015年(平成27年)9月「平成27年関東・東北豪雨」により鬼怒川流域でも洪水が発生した。下妻市洪水ハザードマップ
鬼怒川の過去の洪水:国土交通省さんのサイトに一覧表がまとめてあった。
・地形:実際に現地に立ってみて、2015年の映像を想像すると足が震えた。家に帰ってから反芻するように思い返しても同じように青くなった。みなさんにも訪問をおすすめしたい。
・感想:治水対策・利水対策を行い、その土地の自然と共存していこうとする人間の知恵と努力そして人々の感情が入り乱れた歴史を感じた思いがした。自然災害というと、全国どこでも地震と台風が身近?だが、洪水となると自分とは関係ないと思う地域も少なからずあると考える。しかし、災害への思いを膨らませて自分の国土を見つめてみるのも必要かもしれないと思った。実際に現地で肌で感じるとその思いを深めた気がした。

I visited the Kinugawa River, which flows through Shimotsuma City in Ibaraki Prefecture, Japan.
The river has long been famous here for its flooding.
The name “Kinugawa” means “river of angry demons…..
Flood control work was done here about 100 years ago.
There was an outstanding civil engineer by the name of Akira Aoyama, who will remain in history.
He directed this flood control work.
I photographed the place where I could feel its history.
During the time I spent taking pictures, I thought about that history.

【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】

【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】
下流方向より撮影
川に出る切れ目がところどころに存在していた。草の覆い茂る季節にはこの位置からは川は見えないと想像する。

【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】
下流方向より撮影

【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】
下流方向より撮影

【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】
まるで深場に浮いているように見える。
下流方向より撮影

【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】
下流方向より撮影

【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】
下流方向より撮影

【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】

【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】
水の流れや水中の苔などで滑りやすいと思うが、釣り人はよく立っていられると思う。本当に凄い。何かのコメントで「日本全国、いちばん冒険しているのは釣り人だ。」と読んだことがある。海も、山も、都市河川も踏破しない場所はないくらいだそうだ。その情熱はどこから出てくるのだろうか。知りたい。

【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】から大形橋を望む

【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】から大形橋を望む
大形橋からさらに下流方向(画面上側奥)に鎌庭捷水路(かまにわしょうすいろ)が見える。
1927年(昭和2年)に鬼怒川改修事務所が設置され工事がすすめられた。
あと3年で100周年という計算になる。

【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】付近の遊水地帯
定期的に草刈りが行われている様子がみえる。それにフラワーロードという素晴らしい取り組みもされていて、観光地になっていないのが勿体ない気がした。
もし駐車場が整備されていれば、筑波サーキットの休憩時間や行き帰りなどにも、ちょっとしたランチや季節のお花見などに格好の場所だと思った。

上流方面から見る【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】と大形橋
遊水地がきちんと取られている。周辺道路を車で少し走行したが、整然としていて綺麗な町並みだった。

【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】の遊水地帯の雑草
「ギシギシ」と呼ばれるタデ科の多年草☆
そのギシギシにつく虫の「コダカルリハムシ」
雑草と扱われているギシギシとコダカルリハムシがどういった影響があるのか正直わからないが、生態系の循環に寄与しているということは理解できる。水辺と動植物と豊かな生態系。エネルギーに満ちた大地や海を育む要因にきっとなっていることでしょう。

【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】
遊水地も広くとられていて、ウォーキングやサイクリング、釣りなど思い思いに楽しんでいる人を見かけた。しかし、いざとなればこの場所が水で満たされるとはにわかに信じがたい。この地に住んでいる方は、そういった大自然と共生できている強さを感じずにはいられない気がした。

【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】と堤防周辺
ほぼ二階くらいのしっかりした高さのある堤防だ

【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】と堤防周辺
数えてみると12段もある階段だった。この高さを超えて水が流れてくると思うと足が震えた…そんな状況下で土嚢を積む作業や、迅速な避難が自分にはできるだろうか….今の自分の極めて現代的生活では川の水に慣れていないため、いざ災害が起きてしまうとどうすることもできないのではと想像してしまった。

【鎌庭第二床固(かまにわだいにとこがため)】と堤防周辺
この堤防からは筑波山が見えた。美しい光景だ。歩いていると、ゆっくりとした時間が流れているのどかな場所に思えた。さらに鬼怒川沿いには色とりどりの花が植えられており、フラワーロードが楽しめるようになっていた。生活するには非常に美しく豊かな場所だ。

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