【本】黄色い家-著者:川上未映子【図書館】

-記事の投稿日2024年09月03日-

◆【本】黄色い家-著者:川上未映子【図書館】
説明:2024年8月。強い勢力と非常にゆっくりな速度の台風10号サンサン(SHANSHAN)が列島に影響するということで、図書館から本を借りた。台風の影響で家で過ごすことを考えてのことだった。川上未映子先生の著作は今年に入って何冊か読ませていただいているので、今回は話題の「黄色い家」を選んでみた。
感想
ものがたりの主人公の一歩進んで二歩下がるようなことが連続する人生。
自分の手の届く範囲、見える範囲でしか生きることが出来ない、その範囲で懸命に生きる人間のリアリティを、時には読者にも痛々しく、生々しく感じさせてくれた。疑似体験といっても良いような感覚を覚えた。そこに強烈な没入感を感じるようなリアリティがあった。主人公の人生は、うまく行く場面もあるが、読み進めるのすらためらわれるような負の場面、そこから発生する負のパワーが心に突き刺さった。本から離れても、そのことを考えてしまう。読了後も再度、再々度とパラパラと読み返してみたが印象は最初の読了時と変わらない。主人公の花だけでなく、それに関わる人々の人生を本を通じて思い馳せることが出来た。皆、自分の人生を必死で生きている。他人の人生を深く知る機会、身の上話を聞いて思い至る機会は少ないと思う。こういった形で疑似体験をさせてくれた著者の表現力に心からエールを贈りたいと思った。

登場人物&キーワード
伊藤花(ビビンバ)
伊藤愛(愛涙)
吉川黄美子(右手の親指の下の入れ墨)
琴美
安映水(アン・ヨンス)
安雨俊(アン・ウジュン)
志訓(ジフン)
加藤蘭
玉森桃子(ゴリ玉サターン)
小料理屋「福や」の女将エンさん
聖母たちのララバイの順子ママ
トロスケ
埼玉の不動産業の男
バイトのファミレスの店長
ごんちゃま
佐野警官コンビ
福やの常連客ヨッシー
ライター・ながさわ猫太=ニャー兄
家の若い衆の指導役 なるちゃん
黄美子さんの刑務所の母親
れもんのビルのオーナージン爺=陣野さん
桃子の同級生の背後霊
玉森桃子の妹→玉森静香(しーちゃん)
桃子の母親
桃子の一家
花の母親のパチンコ仲間の塾長(矯正下着販売ビジネスのシエスタ・シスタ)
ヴィヴさん=ヴィヴィアン(前歯の隙間)
琴美さんの彼氏の及川
パー券売りのウーノ
琴美の銀座の店「セラヴィ」のレジ係チエさん

三軒茶屋のスナックれもん
黄色コーナー
文化住宅の清風荘
砂壁
ラーメン
冷蔵庫の黄色い光
2階のタトゥーのお店
夢判断大辞典
掃除道具のサッサ
ヴィヴさんにごちそうになった高級焼き肉店
アタックナンバーワン
「会議」
「解散」
「花ちゃんにわたす用」の白い封筒

【本】黄色い家-著者:川上未映子【図書館】

【本】黄色い家-著者:川上未映子【図書館】

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